【質問・相談】
私はアメリカやフランスなど4か国で在外日本人の子供たちに数学・理科・国語を教えるオンライン学習塾をやっているのですが、さらに何かできないか考えています。
井上さんからのアドバイスをいただければ、と思います。
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【回答】
在外日本人に向けた学習塾、素晴らしいですね。
学習塾業界は少子化もあり、飽和傾向にありますよね。
そんな中、オンライン学習塾は、通信講座各社、学習塾各社が参入していますが、大手はM&Aで資本力を増強し、最新テクノロジーをどんどん取り入れています。
うちの子は進研ゼミを習っていますが、タブレットを使って
・動画で楽しく学べるコンテンツ
・自動採点
・AIを使ったアダプティブラーニング(その子にあった問題を自動生成)
・ログインボーナスや、単元を終わるごとにポイントがたまり、
そのポイントでアバターやゲームが購入できるモチベーション維持の報奨制度
・子供の学習結果が翌日に親に通知されるシステム
など、本当に良くできています。
大手がどんどん進化する中、互角に戦っていくのには大変な環境なのかもしれません。
■「ニッチャー」の戦略を採る
以下、私の意見です。
ご相談者様のような新興の塾が、ライバルひしめく業界で差別化を図るには、
マーケティングの著名理論「コトラーの競争戦略」に沿い、大手との直接競争を避け、「ニッチャー」の採るべき戦略を採るのが良いのではないでしょうか。
「ニッチャー」とは、すきま市場(ニッチ市場)で独自の地位を獲得しようとする企業のことです。
高級トースターなどの市場を切り開いた、家電の「バルミューダ」などがこれに当てはまります。
具体的には、商品のターゲット、特性、価格帯や販売チャネルなどを限定し、専門化することで収益を高めることを戦略目標とします。
大手では解決できない、少数派の学生や親御さんの悩み・希望に寄り添うようなイメージです。
■プログリッドというサービス
たとえば、英語スクールの分野では、プログリッドというサービスがあります。
プログリッドは、「英語ができない人は、学習習慣に原因がある」
として、英会話を教えるのではなく、学習習慣作りの指導に特化した英語力向上サービスです。
従来の英会話スクールでは続かない人にターゲットを絞っているわけです。
成熟した英語スクール業界において、彼らは今、すごい勢いで成長しています。
相談者様の例に当てはめるといかがでしょうか。
「在外日本人」ならではの悩みに特化する、というのも1つですよね。
他にどんなことが考えられそうでしょうか。
以上、参考になれば幸いです。